001
光があって闇ができる。
闇があるから光が輝く。
生まれたその瞬間から、
死に向かう。
全ては繋がっていて、
意味のないことなど
ひとつもないから。
001/満ち潮
満ち充ちて満ちたり
昏き世に
いのち満ちたり
生まれておいで
狭き道を通って
生まれておいで
わたしたちよ
わたしたちは
満ちるひかりなのだから
002
羽ばたく蝶が、曼荼羅の中に見えたと話したら、
「変容だね」と。
私達は変わりゆくけれど、
変わらない。
だからきっと
どんな時だって大丈夫。
002/古き火の神
わたしはただ、ここに在る
ただ、ここに在る。
ゆらぎ、ゆらぎ、ゆらげども、ゆるぐことなく
ただ、ここに在る。
いかに変容しようとも
わたしという魂はゆるぎなく、ここに在る。
おまえの魂もゆるぎなくそこにあるだろう。
おまえもまた火(ヒト)であるのだから。
003
無限に増え続ける
枝は、わたしの欲望だ。
もっと。
たくさん。
足りない。
飢えてる。
わたしの手には
いつだって、
満ちている水があるのに
気づかずに。
003/生命の水
生きているということは
渇くということ。
渇くのは、生きたいということ。
体内をめぐる血は、水は、
生きるためにまわりつづけている。
004
怖いと思う心を、
無視しないこと。
怖いもんは怖いんだと
認めること。
大丈夫だ。
世界はとても
優しいから。
だいじょうぶだよ。
004/降りそそぐ祝福の雨
降りそそぐ
祝福の雨は喜びに満ちて
降りそそがれる
その花も喜びに満ちて
恐れないで
満ち開くその花は
あなたのこころに咲いているよ
005
ひとり
いのり
いとし
いのち。
ヒトリ、
祈り、
愛し
命。
だいじょうぶだよ。
005/ヒ
わたしたちのたましいは霊(ヒ)という。
燃えさかる火(ヒ)のように
天照らす陽(ヒ)のように
生まれてきたあの日(ヒ)のように
熱くて、あたたかくて、明るい
生きるちからに満ちたヒカリ。
006
風の流れ、
水の流れ、
陽の流れに
ただ身を任せて、
咲き誇るいのちたち。
006/チ
わたしたちのたましいは霊(チ)という。
わたしたちの身体は血(チ)で満ちていて。
吹きわたる風、風の名もまた風(チ)という。
流れるようにすぎる日々もまた日(チ)という。
地(チ)に生きるわたしたち
これらの光を「いのチ」という。
007
「ほしいもの」めざして、
ひたすらひたすら突進していく。
ただ、ほしい。と
それだけの気持ちで。
そこに加わる
諦めだったり
怒りだったり
もどかしさだったり、
手に入らない
理由を作る。
色んな感情が生まれて
次第に枝分かれしていき、
最初のピュアな願望が
いつしか薄れ
残るは
黒く濁った
羽根の名残。
それでも、目をこらせば
その奥に、
「ほしい」だけで
輝いている
「わたし」がいるのだ。
007/わたしを満たすはわたし自身
どれほどに交わりあっても。
どれほどに抱きあっても。
わたしと他者とは交わらない。
わたしの心を満ち充たすのは
ほかならぬわたし自身なのだ。
言葉にできない想いも、感情も、
すべてはわたしの心の中にあるのだから。
008
ああそうか、それだけでいいのか。
「気づいた」
その瞬間、
体中の細胞が喜びに満ち満ちるような
あの感覚。
それはきっと
わたしだけでなく、
わたしの中にある
遥か遠い祖先の血も
喜んでくれてるから。
008/振り返れば遠く祖の心
わたしたちの身体に満ちる血は
遠くあまたの祖先の血。
祖の血の中にとける心が
わたしたちを導き生かす。
だからわたしたちは
わたしたちの血のかげに隠れた導きを
おかげさまと呼ぶのです。
009
純粋な願いは
真っすぐに伸び、
歪んだ願いは
歪み、途切れ。
忘れかけた願いは
今にも消えそうに。
そのどれもが、
わたしなのだ。
全ては繋がる。
わたし自身へと。
009/断ち分かち、まじりあう
すべて世界は、他者と他者との糸でできている。
その糸は必ずわたしに続き
その糸は必ずいつか断たれ
この糸は必ずまた他の糸と結びあう
そうしてわたしは世界と繋がっているのだ
そうして世界はわたしと繋がっているのだ
引き寄せあう、反発しあう、磁力のように。
010
こっちがいいよ。
そっちにしよう。
あっちにしなよ。
どっちがいいの。
……。
「他」の言葉に気をとられて、
小さく小さく縮こまる、
中途半端に開いた花。
これがいいの。
あれがいいよ。
どっちもいい。
どっちもいや。
どっちでもいい。
「自」をちゃんと訴えて、
美醜なんぞ気にしないで
気ままに咲いてる花。
010/天の岩戸
かたく閉ざされた扉をひらいたのは
誰なのだろう?
豊かに豊かにあふれてくるひかりは
誰のために輝くのだろう?
わたしはひとりで生きているのだろうか、
あなたはひとりで生きているのだろうか、
それぞれのひかりはきっと
だれかのためのひかりであると思うのだ・・・